CCII 京都大学大学院医学研究科附属 がん免疫総合研究センター

センター長からの挨拶
2020年4月に設立されたCCIIは、科学を通じて社会を変革することを目指し、免疫学とがん研究の発展に尽力しています。

科学を通じて社会を変革することを目指します

© Nobel Media AB/Alexander Mahmoud.

私たちは、「2050年までに、高度でありながら広く利用可能な免疫学的介入により、ほとんどのがんを制御できるようにする」という夢の実現に向けて研究を続けていきます。そして、これを実現するため、システムバイオロジーに基づくアプローチとバイオインフォマティクスなど最先端の医療技術を駆使し、健康と疾患の生理を理解するための統合的かつ体系的なアプローチを構想しています。

私たちCCIIは、基礎研究と臨床医学分野を協調させて、がんが進展する際の免疫システムの変容や、神経系、内分泌系、循環器系、消化器系など他の主要な生理機能に与える影響を統合的に解明していきます。CCIIでは、研究者たちが世界中の研究者と協力しながら、がん免疫療法と免疫生物学における独自の科学的課題を追求できるようにすることを目指しています。学生や若い研究者たちが、この新しい統合医療の分野で先駆的な研究に取り組むことを奨励したいと考えています。

がん免疫療法の臨床応用に伴い、併用療法、バイオマーカー、がん免疫療法関連の新薬や機器の開発が世界的に進められています。しかし、日本には大規模ながん免疫研究の拠点がなく、がん免疫に関わる医薬品、診断薬、デバイスの開発が遅れています。

基礎・臨床研究の発展、さらにその成果を患者さんへ速やかに応用するためには、アカデミアと製薬企業との協力研究体制が不可欠であると考えています。このような研究開発を積極的に行えるよう、2024年度完成予定のCCIIの新研究棟には、各階に企業向けの専用スペースを設置します。これにより、基礎研究者、臨床研究者、企業研究者が一体となってがん免疫療法の研究を迅速に推進させ、国際競争力を高めることを目指します。

センター長 本庶佑

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