Messageセンター長 ご挨拶

センター長

本庶 佑

Tasuku Honjo, M.D., Ph.D

京都大学高等研究院 
副院長・特別教授

京都大学大学院医学研究科附属
がん免疫総合研究センター
センター長

京都大学大学院医学研究科附属 がん免疫総合研究センター(Center for Cancer Immunotherapy and Immunobiology(CCII))は、2020年4月1日に開設されました。 このセンターでは、「がんの征圧」という大きな夢に向かって集う世界各国から集まった研究者が活発な研究を行います。

私たちは2050年には、がんは人と共存し、免疫系がほとんど全てのがんの増殖を抑えることができる日が来るという夢に向かって研究を続けていきたいと考えています。 この目的のために、CCIIでは国際的な連携とあらゆる技術の結集ならびに医学分野の統合をめざした研究体制を整えていく予定です。

今日、医学がしばしば臓器別の診療科に分かれ、人体を統合的に診る目をややもすれば失っております。 幸か不幸か免疫系には、臓器というものが存在しないと言っても過言ではないでしょう。 免疫系は、全身に網をめぐらせた全体の統御システムの中枢的な役割を担っております。およそ体の機能の中で、免疫系との接点が無いものはありません。 神経、内分泌、循環、代謝、あらゆるものを統合して免疫系は人体を上手く外敵の侵入や環境の変化に対応させてきたのです。

このような統合的な体の防御のしくみの中に、感染症だけではなく、がんもあると私たちは考えてきました。 この目的の実現に向かって、基礎医学の研究者と臨床医学の研究者が一体的に研究するのみならず、特定の分野に優れた技術と情報を持つ企業の皆様とも共同研究を続けていくことが必要です。

この研究センターに多くの若い学徒が集い、新しい医学のページを開くことに積極的に参加して頂けることを期待しております。