CCII 京都大学大学院医学研究科附属 がん免疫総合研究センター

免疫学とがんの最先端研究
PD-1研究の歴史は30年前に京都大学で行われた基礎研究にさかのぼります。その成果と意志は現在、CCIIに引き継がれ、さらなる発展を遂げようとしています。CCIIはがん免疫療法の研究を行っていますが、その視点はがんと免疫研究のみならず、メタボローム、プロテオーム、ゲノム、生体内高次機能を含む多分野にまたがり、新しい世代のがん免疫療法の基礎と応用の開発を目指しています。

最近のハイライト

がんと免疫系

PD-1は活性化した免疫細胞(主役はT細胞)上に発現するタンパク質でありT細胞にブレーキをかけます。がんはこのT細胞のPD-1に刺激を入れるPD-L1というリガンドを強く発現することによりT細胞を抑制し、T細胞からの攻撃を逃れます。PD-1チェックポイント阻害剤、すなわちPD-1をブロックし、免疫のブレーキを解除するために設計された抗体の開発により、がんとの闘いにおける免疫系の活用という重要性が臨床において実証されました。しかしながら、まだPD-1抗体が作用しないがん患者さんも存在し、既存のアプローチを強化するためにさらなる研究が必要です。

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重点分野

免疫チェックポイント阻害剤を用いた免疫療法は様々ながん種に適応され、その高い効果が評価されていますが、まだ解決すべき問題点が残されています。CCIIの研究は、最小限の副作用で最大限の抗腫瘍効果を発揮可能な、PD-1阻害剤を併用した治療法や他の新しい治療法の開発を行います。そのためにはがん免疫治療に関連した基礎研究と臨床研究の両輪を推し進める必要があります。またこれらがん免疫治療への研究を通して複雑な生命現象の基本原理が明らかになると期待できます。

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研究部門、ラボ & 研究者

CCIIでの研究は、基礎研究に特化した3部門と臨床・応用研究に特化した3部門の計6部門で構成され、解析研究拠点となる「マルチオミックスプラットフォーム」「インフォマティクスプラットフォーム」2拠点及び産学共同講座「ゲノム医学講座」の1講座が新研究棟にて有機的に連携しながら研究を行います。また、新棟に設置予定の実験動物施設は、CCIIと京都大学の全ての研究者が利用できます。

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